経口避妊薬による乳ガンのリスク

経口避妊薬は、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2つの種類の女性ホルモンが含まれている医薬品で、避妊を目的として内服するためのものです。
経口避妊薬は、錠剤中に含まれているホルモン量によっていくつかのタイプがあり、量が多い順から高用量ピル、中用量ピル、低用量ピルと呼ばれています。かつての経口避妊薬はもっぱら高用量ピルでしたが、服用による副作用に悩む女性が多く、現在ではホルモン量を限りなく少なくした低用量ピルが主流となっています。
こうした経口避妊薬の継続的な服用については、最近のアメリカでの研究において、乳ガンにかかるリスクの上昇が指摘されています。この研究では、過去1年以内の期間に経口避妊薬を使用した女性を、対照群としてこの期間に使用しなかった女性と比較した結果として、最終的に乳ガンのリスクが50パーセント上昇していると結論付けています。
使用した経口避妊薬のホルモン量によっても違いがみられ、卵胞ホルモンの量が多い高容量ピルおよび中用量ピルにおいて、こうした乳ガンのリスクが大きくなっていることが明らかであるものの、低用量ピルについては、乳ガンのリスクの上昇は確認されなかったとしています。
ただし、そもそも乳ガンを発症する割合は40歳未満の若い女性では比較的少ないこととあわせ、経口避妊薬の服用を中止すれば乳ガンの発生リスクは上昇しないとする先行研究もあることから、この研究結果は慎重に検討する必要があることを研究者自身が認めています。
このようなことから、高用量ピルを服用する場合については、乳ガンのリスクをはじめとして、さまざまな副作用についての配慮が必要であるものの、現在一般になっている低用量ピルについては、いたずらに不安になるのではなく、医師の指導によって正しい用法・用量を守った服用に心がけることが大切となります。