世界の経口避妊薬の使用率

望まない妊娠を防止する避妊の技術については、発展途上国における爆発的な人口増加による貧困の問題、また女性自身の自己決定という基本的人権の問題ともあいまって、世界的に大きな注目を集めているところです。
国連でもこうした観点から、家族計画に関する各種の啓発活動とともに、避妊に関する正確な統計データを収集し、これを公表することに努めています。
国連の『世界人口白書2012』によれば、世界における避妊の方法別割合としては、30パーセントが女性の不妊手術によるもので、最も高い割合となっており、以後、子宮内避妊具(IUD)の装着によるものが23パーセント、経口避妊薬(ピル)によるものが14パーセント、ゴムの装着によるものが12パーセント、他の伝統的方法が11パーセントと続いています。なお、伝統的方法とは、定期的禁欲などの、民俗的に培われてきた近代的避妊法によらないものです。
いっぽう、わが国では、戦前の軍隊などでもゴムによる避妊方法が推奨されてきたこともあり、世界的な統計の結果とは異なる状況となっており、既婚女性の7割強はゴムによる避妊を選択しているといわれています。
経口避妊薬については、飲み忘れなどもなく正しく服用することができれば、きわめて失敗する確率が低い避妊方法ですので、さらに普及するだけの伸びしろはあるといえますが、医薬品としての承認が1999年と世界の流れから大幅に遅れたこととあいまって、まだまだ低調であるといえます。
いっぽうで、わが国の人工妊娠中絶件数は、年々低下傾向にあるとはいえ、全国で20万件程度となっていることから、従来からのゴムによる避妊や感染症の予防とあわせて、経口避妊薬の服用による確実な避妊方法の普及といったことが、さらに望まれる状況にあるといえます。